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仰げば尊とし
先日、小学生の時の恩師が88歳の米寿を迎えられたということで、同級生18人が集まってお祝い会を実施しました。故郷に近い松本市にお住いの先生をお訪ねし当地の浅間温泉で一夜酒を酌み交わしながら旧交を温めたのですが、米寿の先生のかくしゃくたるご様子に教え子一同感動したものです。
先生は今でも姿勢が大変よく、集まった私たちに日本で一番親しまれている童謡が「赤とんぼ」だけれど、そこにある心模様とその意味が伝承されにくくなっていることを寂しいと思うと言われながら、ハモニカでその赤とんぼを演奏してくださいました。これが年齢を感じさせない音量による見事なもので、一芸を守ることの強さもまた教えられたようでした。
現在、先生はご実家で農作業にもいそしみながら、地域の文化活動や教育事業にボランティアで参加され、悠々自適の日々を送っていられるとのこと。その先生の教えを受けた18名がそれぞれに先生との思い出を語り合ったのですが、一番みんなが言ったのは、先生が自分の長所を褒めてくれた事が、それからの自信につながって学校生活に元気に取り組めた、という話でした。沢山叱られもしたのですが、覚えているのは褒められたこと、という話を何人もがしたのです。もう何十年も前のことですが、人が何かをしていくうえで、褒められたことは励みになる、それを実感としてみんなが持っていたのです。88歳の恩師。仰げば尊としと言いますが、本当に佳い話をいっぱい聞けた会でした。