- ホーム
- 日本典礼寺院協会ブログ
- 管理者の見聞録
- 優しさについて
優しさについて
大分前になりますが、「優しい人なら解けるクイズ」というテレビ番組がありました。当時、番組名が面白いなあと感じながら見た覚えが有るのですが、その通り結構面白い内容でいろいろ考えさせられもしました。エレベーターの正面に鏡が付いているのは、車椅子で乗り降りする時に方向などを確認しやすくするためだとか、エスカレーターで極端に遅い速度のものは高齢者が乗りやすくするためだとか。日本人の思いやりの心と、高度な技術力が相まって製造されたものが、あちこちに在ることが分かって嬉しくもありました。人の動きを精神面も含めて徹底的に解剖し、どうすればよりスムーズに動けるようになるか、またどうしたら事故なく動けるようになるかなど、開発に従事する方々の思いやりの心の深さに感動した記憶があります。
最近では、日本の職人さんたちのモノ作りにかける情熱と、使い手の気持ちを熟慮した仕上げの素晴らしさを取り上げる番組も好評のようです。ここで紹介される職人さんたちの姿勢も、結局は人への深い思いやりによるものであると気づかせてくれます。
優しさは思いやる心から生まれ、有り難いという気持ちに繋がっていく、とはあるご僧侶から伺った言葉です。思いやるとは、思いを人にやる、つまり心を上げるという事なので、頂いた方が有り難いと感じるのだという事だそうです。
例えば、どんなものでも使ったら、使える状態にしてくださった方がいると感じて感謝する。だから、何かを使い終わったら次の人のことを考えて、予備を補てんして置く。次の人、後ろの人のことを考えるなどと言うのは、昔から日本人の美徳の一つだったように思います。当社の依頼でご葬儀に出仕してくださるご僧侶の方々も、亡くなられた方のご供養をされるだけでなく、残された方々のこれからについても深く思いやり、優しさをもってご供養される方々ばかりです。