- ホーム
- 日本典礼寺院協会ブログ
- 管理者の見聞録
- ペットとペット葬のことなど
ペットとペット葬のことなど
最近、ペットに関するテレビ番組やネットのニュースが多くなり、画面を動き回るその愛らしい姿に目を奪われて、思わず見惚れてしまう機会が増えていると思います。映像で見ていても、心をゆさぶられるのですから、実際に飼っている方々のペットから与えられる癒しや喜びは多大なものに違いありません。今ペットの数は、概算で犬が約900万、猫は約950万だそうです。(2017年ペットフード協会の推計)
これは15歳以下の人口が1600万人程度の日本では、子供よりペットの数の方が多い、という少子化について考えさせられる由々しき問題だ、というような論議まで呼ぶ事態を招いています。
長い間、人に懐きやすい犬がペットの代表だったのですが、ここ数年で猫の人気が高まり、飼育数で犬を上回ったのだとか。その理由が、犬の飼育には手間がかかるけれど、猫は簡単だから飼いやすい、ということだそうです。
飼いやすいという人にも理由は色々あって、特に高齢者の単身世帯は犬の世話が難しくなって、猫なら一緒に居やすいというケースが多いとか。犬を飼える住まいかどうか、散歩に連れていける公園などが近くにあるか、近隣の理解が得られるか、などの住宅環境の事情もあるようです。
子供より多く、また子供以上に大事な家族になっていることが多いペット。そのペットが亡くなった時の喪失感も半端ではないと聞きます。半年も立ち直れなかったというような話を聞くと、その人がペットの存在に深く依存して暮らしていたことを思わされたりします。
そこで最近ではペットが亡くなった時に、人間と同じような弔い方を模索している方が増えてきているのだそうです。墓地選びでもペットと一緒に入れるかどうかを重視する人がいるとか。
調べてみると、人間と同じ葬儀をしてくださるご寺院もあって、遠方からの問い合わせも増えているそうです。これを時代の流れとしてみますと、事情の許す限りペット葬を受け入れ、ペットの埋葬も許す、とされるご寺院が増加していくのではないかと感じます。
欧米には、子供が生まれたらペットを飼え、という考えもあると聞きました。小さなうちは兄弟姉妹のように一緒に育ち、やがてペットが先に年老いて亡くなるのをしっかりと見送る。10代までの間にその経験をすることで、生き物の命の大切さを学ぶことが出来るからだというのです。
今まさにペットの時代。色々なことが考えられそうです。