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幸せになりたいですか?
ある宗教者の方にそういう問いかけを受けたことが有ります。急に言われると「えっ」となって考えるのですが、私は返事をあいまいにしただけでした。何が幸せなのかすぐには良く分からなかったからです。幸せになりたいというのは、今幸せではないからではないだろうか。では今私は不幸かというと決してそうではありません。つまり幸せになりたいという気持ちとは無縁だなあと感じたのです。
その先生は、幸せになりたいと強く思うことにはいろいろあるとおっしゃいました。
やはり、幸せになりたいと思って生きているということは不幸から抜け出すためにあがくことだったり、今以上に何かが欲しいという欲だったりすることが多いというのです。
どこかの貧しい国の大統領が、何も持っていないから幸せだという講演をされたと聞いたことがあります。持っていると、失いたくない、もっと欲しい、という気持ちが生まれてそれは不幸なことだとおっしゃったそうです。
病気だった人は健康を取り戻すと、それだけで良かった、健康であることこそ幸せの元ですなどと言います。それはマイナスがゼロに戻ったこと。今ゼロなら、それをよしとして受け入れると、欲に見舞われることが無くなるといいます。
尤も、欲が向上心となって頑張る毎日を約束することも多いと思います。そういう能動的な欲はいい結果をもたらすでしょうが、欲だけを強く持って何もせず、ただ棚ぼたを待つようなら、それは不幸につながることが多いと思っていきましょう、ということでした。
来年はどんな年にしようか、それも欲の無い心の状態で考えてみたいと思います。