田舎のお寺で、親のことを聞く

田舎のお寺で、親のことを聞く

お盆の時期だったせいか、先日ふと田舎のお寺のことを思い出しました。一昨年久しぶりに訪問したのですが、ご住職の奥様が快く迎えてくださり、そういえばあなたのお母様はこういう方でしたね、といろいろと思い出話を聞かせてくださったのです。私も小さなころには、そのお寺様で友人たちと一緒に色々遊びを楽しんでいたことを思い出しました。都会に出て、墓も近くに建てたので、田舎のお寺には行かなくなっていましたが、お寺様の方では覚えていてくださったのです。振り返って、今周りの人たちを見ると、まずお寺で遊ぶなどという事は無くなっているように思います。

お寺は江戸時代中期に定められた宗門人別改めという、幕府の地域支配構造の中に組み入れられ、それが発展の元になったと聞いたことがあります。明治以降はそうした地域支配の一翼を担うところではなくなりましたが、それでも地域とともに歩む公共性のある施設として、独自の発展を遂げて今日に至っています。地域と密接につながり、地域の人たちの交流や学び、遊びの場所であったお寺様。地域の人や家のことを隅々まで熟知していたお寺様。だんだんお寺に足を運ぶ人が少なくなっていると聞きますが、地域に開放された「場」として、足を運びたくなる理由付けや動機付けを計って、今後とも地域の人々の心のよりどころとして重要な地域拠点であり続けて欲しいと思うのですが。

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