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「手当て」には効果があるという話
体の状態が良くない時に、人は手当てすると言いますが、元々これは具合が悪いところに手を当てる様子を言っているようです。子供の頃、おなかが痛いというとお母さんがおなかを撫でさすってくれたことを思い出しませんか。頭の痛い時もそうでしたし、手や足を打った時などもそうだったと思います。
それで結構痛みが和らいだように思いましたが、成人してからは、原因に対して治療している訳ではないから、手を当てて痛みが和らぐのは気のせいだろうと思っていました。
ところが、スポーツ医学のドクターに手当ての意味を伺って、なるほどと唸ってしまいました。人には太い神経と細い神経が有るのだそうです。太い神経は体の表面にあり、細い神経は内部に多くあるのだそうで、太い神経を通じた信号の方が先に脳に届き、細い神経を通じた信号は後から届くと言います。ところが脳は、先に届いた方を感じると一旦次の信号の受け入れを止めてしまうとのこと。
それが手当てが効果を持つ根拠だそうです。つまりおなかが痛いのは体の中に痛みがあり、その時に体の表面を撫でたりさすったりすると、その刺激が太い神経に乗って先に脳に届き、脳はその刺激が届いた時には後から届く体の中の痛みを遮断してしまうという訳です。だから撫でている間は体の中の痛みを感じにくくなる、それが手当です、というのです。
お母さんの手に限りません。痛むことが有ったら、体を撫でてあげてください、と続けた先生のお話しに、なるほど、と思ったものでした。撫でさすることは、単にやさしい行為というだけでなく、本当に効果のある思いやりの行為なのですね。