人と触れ合う勇気

人と触れ合う勇気

以前 グループインタビューという、6名ほどの方に集まって頂いて、一つのテーマについて2時間ほど意見を伺う企画にかかわっていました。その時に気が付いたのですが、インタビューが始まる前に集まった男性グループの方々は、皆さんずっと無言で待っているのです。それも、人のことは気になるらしく、声はかけないけれど上目遣いにちらちらと周りの人を観察しているのがわかります。もちろん、人に気づかれないように「忍び目」とでも言う視線でです。インタビューが終わると、ひとしきり意見を交わした後なので、少し話しながら帰る人もいますが、慣れない人と触れ合うのはちょっと、という感じの方が多いのです。

ところが女性グループの方はというと、周りの人にまっすぐ目を向けて、目が合うや否やどちらからともなく、どちらから? とか、今日はお暑いですね、などと言葉を掛け合い、知らない同士でもすぐに打ち解けて、インタビューが始まるころには、すっかりなじんでいることが多かったのです。もちろん帰りの時など、次にいつ会いましょうか?というくらいの親しさに包まれている方もいるほどです。

これを知り合いの心理学の先生に話したら、この場合、男性は自分に自信があることが多く、不安を感じている人ほど、人に話しかけるのだと教えてくれました。つまり、女性は不安だから人とつながろうとし、男性は自信があって、人を観察している、という事になります。

という事は、むしろ不安を感じるくらいの方が人と知り合える、人と触れ合えるという事になります。友達が居なくてつまらないという人が結構居るそうですが、自信を取り払い、仲間がいない事は不安につながると自覚する。そうして、人にまっすぐ目を向け、とりあえず何か声をかけること。そういう何でもない勇気が不安を払拭して、友人関係を作っていくのですよ、と先生は熱弁をふるってくださいました。そのちょっとの勇気がなかなか出ないことも確かなのですが。

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