「70歳からの禅の教え」を読んで

「70歳からの禅の教え」を読んで

先日お寺様のご住職から本を書いたので読んでみてと一冊の本を頂きました。
70歳からのではまだ先のお話かなぁなどと思いながら読んでみますと心に響くものがたくさんあり感動してしまいました。
どの様なものかと言うと人は皆必ず死ぬのだからそれを自覚して生きていく事がより良く生きれるんだというものです。
確かにまだ死について考えたり怖い思いもしていない自分にとってはまだ未知の世界なのです。しかしこの自覚こそが大事なのだとおっしゃいます。
この本を読んでいると昨年亡くなられた葬儀社様の社長が良く言っていた話を思い出します。
1億3千万人もの人の中で一生の内、出会える人と言うのはほんのわずかなんだよ。こうやってお会い出来る事に感謝し今日と言う日は二度と来ないのだから大事に笑って楽しく過ごしたいね。といつもおっしゃって私と会うのを楽しみにしてくれていました。
きっと社長はいつか来る死と言うものを受け入れて覚悟して日々を楽しく過ごしたかったんだと思います。
時間を楽しむ。人生は楽しむつもりになれば極上の暇つぶしになるという事です。
この本の中で特に心に残った感動的なエピソードがいくつかあるのでご紹介します。
タクシーの運転手さんと住職の話です。6年前に妻を亡くしお金がなくてまだ仏壇を買っていない。これでは成仏出来ないのではないかと住職に尋ねるのです。
住職は「お水やお供え物はどうしてるのですか?」と「休みの日は必ず手を合わせてお供えしている」と言うのです。
ものや形にとらわれるのではなく、故人や先祖に対して心や思いをどれだけ注がれているのかが重要で、すでに運転手さんの心の中に仏壇があります。と住職はいいます。拝む心があれば高価な仏壇などいらない。とさぞかし運転手さんは安心なさったのではないでしょうか?
次に、死が間近な夫が病室で妻に「僕が死んだらどこに行くんだろう?」と聞きました。妻は「ここよ。私のここに入るのよ。安心して」と言うのです。夫は最後安心して眠りについたそうです。
なんともいいご夫婦ではないでしょうか?涙が出てしまいます。
実にほっこりとしたエピソードがたくさん詰まったお寺様の極上の一冊でありました。ありがとうございます。
不安や悩みを抱えている方もこれからの人生を楽しく生きるために読んでみてはいかがでしょうか?

ー人生が変わる極上のひまつぶしー

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